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- 石井優希さん(SAGA久光スプリングス株式会社)

SAGA久光スプリングス株式会社
1991年5月8日生まれ。岡山県倉敷市出身。久光スプリングス(現: SAGA 久光スプリングス)の中心選手として、多くのタイトル獲得に貢献。日本代表の主力としてもプレーし、2016年のリオデジャネイロオリンピック、2021年の東京オリンピックに出場。2023年、現役引退。
スポーツ観戦×ウォーキング!
石井優希さん流・佐賀の歩き方

仕事がある日は自然と歩く機会が多いのですが、休日は家でゆっくり過ごすことが多く、運動不足を感じることがあります。そんな時は意識的に外出するようにしています。ちょっとした外出でも、終わってみると良い運動になったと実感することが多いですね。
以前は夫婦で車を1台ずつ持っていて、近所のスーパーへの買い物でも車を使っていました。今は夫と1台をシェアしているので、必然的に歩く機会が増えました。買い物も電車や地下鉄を利用するようになり、生活スタイルが少しずつ変わってきています。
私は岡山出身で、瀬戸内の温暖な気候に慣れていたんです。「晴れの国」と呼ばれる岡山は台風も少なく、その後13年間過ごした神戸も比較的温暖でした。九州の方が暖かいイメージでしたが、意外と寒く感じることもあって、特に2月は気合を入れて外出しています(笑)。何かと言い訳をして歩くのを避けてしまいがちですが、一度外に出てしまえば1時間くらい歩けることもあります。始めの一歩を踏み出すことが大切だと実感しています。
移動は基本的に電車を利用しているので、最寄り駅までは必ず歩いています。SAGA久光スプリングスの練習拠点であるサロンパスアリーナまでは、鳥栖駅から約10分歩きます。階段の上り下りもあるので、良い運動になっていますね。
特に引退してからは運動量が減ったので、エスカレーターの代わりに階段を使うなど、日常生活での工夫を心がけています。月に2回ほどジムに通い、イベントでバレーボールをすることもありますが、現役時代と比べると運動量はかなり減りました。筋力の低下も感じているので、意識的に体を動かすようにしています。日々の小さな積み重ねが、健康維持には重要だと感じています。
やはり第一にサロンパスアリーナを挙げたいですね。所属チームのホームタウンである鳥栖市ということもありますが、本当に素晴らしい施設です。スポーツイベントだけでなく、最近参加したコンサートでも素晴らしい演出を楽しむことができました。多目的に活用できる施設として、佐賀県の誇れる場所だと感じています。山口知事がスポーツを熱心に応援してくださっていて、元アスリートとしても素晴らしい環境でプレーできたことを嬉しく思っています。
プライベートでは武雄温泉が印象に残っています。夫婦で宿泊した際、落ち着いた雰囲気と心地よい温泉を堪能できました。また、フルーツが好きなので、鳥栖の「カフェ・ド・ブルー」や佐賀市の「新SUN」など、美味しいパフェのお店を巡るのも楽しかったです。「カフェ・ド・ブルー」では新鮮なフルーツを使ったパフェを、「新SUN」ではいちごと洋ナシのパフェを堪能しました。現役時代は制限していたスイーツも、今では楽しむことができますね。
これからは嬉野温泉にも行ってみたいですし、商店街など人々の暮らしを感じられる場所をゆっくり歩いてみたいと思っています。実際、鳥栖の路地を歩いているときに素敵な雑貨屋さんを見つけたことがあります。家の一角を店舗にされていて、とてもかわいらしい空間でした。車では気づかなかったかもしれない、歩いて初めて出会える発見があるのも魅力ですね。
特におすすめしたいのが、スポーツ観戦と組み合わせた歩き方です。佐賀県にはSAGA久光スプリングス、サガン鳥栖、佐賀バルーナーズなどのプロスポーツチームがあり、SAGAアリーナや鳥栖市の駅前不動産スタジアムでの試合観戦が楽しめます。駅から会場までの10分、20分歩くのも、いい運動になります。
試合開催日には、道沿いにさまざまな出店が並びストリートフェスなども開催されるので、歩く道のりも楽しめます。観戦者が楽しく会場まで歩けるよう、さまざまな工夫がされているんです。もちろん、試合を観戦しながら適度にお酒を楽しむこともできます。お酒が入るとさらに盛り上がるので、選手からしても嬉しいポイントなんですよ。
無料シャトルバスも運行されているときがあるので、行きか帰りのどちらかを歩くなど、自分のペースで取り入れられると思います。天候や体調に合わせて、無理のない範囲で歩く習慣を作っていけたらいいですね。
ちょっとした工夫で、健康づくりも地域の魅力発見も、そして応援も楽しめる。そんな佐賀県での暮らしを、皆さんにも体験していただければと思います。歩くことは、新しい発見や出会いのきっかけにもなります。ぜひ、楽しみながら健康的な生活を送っていただければ嬉しいです。
佐賀で健康に暮らすヒント!
石井優希さんが
大切にしていること

水分補給を特に意識しています。朝晩は白湯を飲み、日中は常温の水を持ち歩くようにしています。
自宅にウォーターサーバーを設置してからは、自然と水を多く摂取できるようになりました。以前はジュースやコーヒーばかり飲んでいましたが、今では水を飲む習慣が身についています。飲み物の選択一つでも、少しずつ健康的な生活への変化を感じています。
30歳を前に、代謝の変化を感じたことがきっかけです。汗のかき方が変わったり、肌の調子が悪くなったりと、体の変化を実感しました。特にパフォーマンスへの影響を感じた時は、気持ち的にも落ち込むことがありました。
そんな時、腸内環境が大切だということを知って、腸を動かす運動や腸もみなどを試してみました。水分補給も意識するようになり、その結果、お腹の調子が改善し、肌の状態も良くなり、気分も前向きになりました。水分補給が大事だということを痛感したので、チームメイトにもその大切さを伝えていましたね。体調の変化は目に見えて分かり、健康管理の大切さを実感する良いきっかけとなりました。
栄養バランスを重視しています。食事だけでは不足する栄養は、サプリメントで補っています。選手時代は管理栄養士監修の栄養バランスの取れた食事だったので、野菜もたっぷりで、お肉や魚も充実していました。
今は自炊が基本になり、メニューを考えるのに苦労しています。あまり料理は得意ではないので、毎日のメニュー決めが一番大変ですね。スーパーでの買い物も、翌日分まで考えて買えれば良いのですが、その日の分しか思いつかず、毎日買い物に行くこともあります。時間がない日は自動調理家電を活用するなど、工夫しながら乗り切っています。
選手時代は運動量が多かったため休日の外食も気にならなかったのですが、今は食事内容により気を配るようになりました。
運動習慣は大きく変わりました。現役時代と比べると運動量は減っていますが、月に2回はジムに通うようにしています。全国各地でママさんバレー教室の指導もさせていただいていますが、参加者の皆さんの明るさとパワフルさに、こちらが元気をもらっています。80代の方もいらっしゃって、元気にプレーされている姿を見ると、バレーボールの素晴らしさを実感しますね。
睡眠に関しては、現役時代より就寝時間は遅くなることもありますが、しっかり休息は取れています。生活リズムの変化に合わせて、柔軟に対応するようにしています。
食事の量をコントロールしています。厳しい制限ではなく、タンパク質を多めに摂取したり、夜の炭水化物を控えめにしたりする程度です。引退後は九州の美味しい食べ物を食べ歩きして、一時は体重も増加しましたが(笑)。結婚式やSAGA2024国スポでの最終点火者を務めさせていただいた際に調整した体型を、現在もキープできています。時々、体重が増えていた時の写真を見返して、モチベーションを保つようにしています。
休日は外出して、友人や元チームメイトとの交流を大切にしています。食事に行くこともありますが、特に子育て中の先輩や同期の家を訪ねて、赤ちゃんと触れ合う時間が、最高の癒しになっています。自然と笑顔になれる、そんなひとときを大切にしています。
人との交流を大切にしてほしいですね。カフェでおしゃべりを楽しむ高齢者の方々を見かけますが、とても健康的な時間の過ごし方だと感じます。家に籠りきりになると頭も体も鈍くなりがちなので、外出して人と会話することで心身ともに活性化させることが大切だと思います。
私自身、家でじっとしていると頭がぼんやりしてしまうことがあります。できる限り外出して友人と話すことで、体も心も頭も活性化するように心がけています。働いている方は、定年後も、できる限り人との関わりを持ち続けることをおすすめします。私の両親も60歳を過ぎても現役で働いていますが、そうした活動的な生活は健康維持に重要だと感じています。
また、適度な日光浴も大切です。太陽の光は骨の健康を保ち、免疫力を高め、睡眠の質も改善すると言われています。太陽の下で散歩をし、人と話すといったシンプルな習慣が、毎日の元気につながるのではないでしょうか。佐賀県の皆さまも、ぜひ自分に合った方法で健康的な生活を楽しんでいただければと思います。
歩く+公共交通で健康習慣!
「歩こう、佐賀県」で歩く習慣を

移動の9割近くを公共交通機関で行っています。仕事では基本的に電車を利用していて、市街地へ出かける時も地下鉄などを活用しています。選手時代は自家用車での移動が中心だったのですが、今は公共交通機関の利用を心がけていますね。夫とカーシェアしているのも大きいと思います。
確かに自動車での移動が便利な面はありますが、佐賀県は糖尿病及びその予備群の割合が全国でも高いことを考えると、車社会も一因なのかなと思います。公共交通機関の利用は、自然と歩く機会を増やすことができるので、健康習慣につながるのではないでしょうか。
特別な運動は難しくても、日常的に歩くことなら継続しやすいですよね。駅やバス停までの往復だけでも、かなりの運動量になります。自分の健康は自分で守ることが大切なので、その第一歩として歩くことは最適だと思います。
また、公共交通機関の利用は、地域の活性化にも貢献できるのではないでしょうか?利用者が増えることで路線が維持され、高齢者や学生など車を運転できない方々の移動手段も確保されます。個人の健康づくりと、地域社会の活性化は密接に関連していると感じています。
佐賀県公式ウォーキングアプリ「SAGATOCO」をおすすめしたいですね。私も神戸に住んでいた頃からチームで使用していました。選手として活動していた時は実名で登録して、チーム内で歩数を競い合っていましたよ。歩数ランキングで上位300位まで表示される機能は、良い意味での競争意識を生みますし、自分の頑張りが目に見える形で分かるのでモチベーション維持にも役立つと思います。
歩行距離やカロリー消費量の記録、各種健康データの管理もできますし、イベント参加時のツールとしても活用できます。貯まったポイントは県産品が当たる抽選や、「歩こう。佐賀県。」応援店でのサービス利用も可能です。アプリを使うことで、散歩や通勤が単なる移動でなく、楽しみになればいいですね。
また、SAGAアリーナでのスポーツイベント開催時には、公共交通機関の利用と徒歩を組み合わせた移動もおすすめです。最初から長距離を歩くのは負担が大きいかもしれませんが、バスや電車を利用しながら、少しずつ歩く距離を伸ばしていけたらなと思います。
自分の体を守るためだけでなく、生活環境を守るためにも、できるだけ車の利用を減らして歩いたり、公共交通機関を使ったりしてほしいと思います。健康づくりと環境保護は、実は深く結びついている気がします。
現在、ガソリン価格も高騰していますし、2030年に向けた二酸化炭素排出削減目標を考えても、環境面でのメリットは大きいと思います。一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、大きな変化につながっていくはずです。
「歩くライフスタイル」の取り組みをきっかけに、皆さんの健康増進や公共交通の利用につながることを願っています。歩き始めは大変かもしれませんが、必ず「歩いてよかった」と感じる瞬間が来ると信じています。
私もこれから佐賀を歩いて、豊かな自然や街並み、お気に入りのお店を見つけたいと思います。