2021.02.17 UP

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の9回目は上峰町編。みやき町に続いて同じ日に連続して攻略してます。

 

 

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まっすぐな道を歩くと、「上峰町」の看板。しばらく行くと畑の先に町役場が見えてくる。上峰町といえば、昨年末、町のショートムービー「鎮西八郎為朝」

のために、あのユニコーンが新曲「TIME-TO-MORE」を書き下ろしたことが話題になっていたなあ。とかなんとか考えながら町役場の前を通過。

 

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良い感じの道に出た。なだらかな上り坂を行くと、飲み屋さんが点在していた。英語表記が親切だ。乗合タクシーの名称が「上峰町のらんかいバス」。”のらんかい”とはかなりフランクな雰囲気だ。
坂を上ると住宅街があった。

 

 

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イナバウアーしている飛び出し注意の女の子。まあ逆向きに設置してしまっただけでしょうが、ちょっと微笑ましい。

 

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古民家の蕎麦屋さんがあった。うまく判別できないが「5と?のつく日ぜんざいサービス」と書いている模様。テンション上がるが定休日…。満開の梅を見ながら蕎麦食べたかったなあ。急にお腹が減りだす。

 

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辻に祀られていたお地蔵様。ミッドセンチュリー的なテキスタイルがナイス。近くにあったも元商店の幕の配色にも同じセンスを感じる。トタンの雨戸の素材感に惹かれる。

 

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道よりちょっと高いところにある神社。扁額を見て一瞬「Z宮」かと思ったが「乙宮」。境内にはダイナミックに跳ねる狛犬がいた。本殿の奥には良い感じの公園があった

 

 

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奥にはパンダ。目つきが悪い。熊要素を強く感じる理由について考える。これ、眼の周りの白い部分が余計なんじゃないかな。実物パンダはほぼ黒眼で、眼のまわりの黒い模様と一体化している。眼が大きく見えて可愛らしく感じるのではないだろうか。なんで可愛くない方向に”盛った”のだろうか?
境内に戻ると謎のサンドアートがあった。オブジェのような丸太も気になる。

 

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境内から見下ろすと良い感じの納屋があった。瓦が表情豊か。今のものは均一な仕上がりなので、こういう味わいはない。屋根が2段になっていて、横の断面を見ると、キリスト教の教会様式で最も古い「バシリカ式」のようになっている。加えて、外壁の木材が横貼りされているので、どことなく洋風な雰囲気が漂っている。

 

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歩いていると、ユニークな名前のアパートに出会う。「Margaret Fill」。どういう意味なんだろう? アパートやマンションの名前で「hill」はよく見かけるが「fill」は初めて。 英語で、満たす、埋める、注ぐという意味だから「マーガレットがいっぱい」となるのかな。でも花のマーガレットはMargueriteなので綴が違う。少女漫画雑誌「マーガレット」の英語表記はMargaretで一緒なのだが、「(少女漫画雑誌)マーガレットがいっぱい」というのはなかなかマニアックな解釈だと思う。そういえば途中に「BL」というアパートがあった。下にBETTER LIFEと書いていたので、なかなか良いネーミングだと思っていたが、別の意味合いが込められているのかもしれない。そんな妄想をするのも散歩の楽しみ。

 

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お店はほとんど見当たらない。このままでは何も買わないまま終わるかもしれない。そんな緊張感を抱いていたら無人販売所があった。とりあえず100円でさつまいもを買う。家に帰って天ぷらにしたら、すごく甘くて美味しかった。

 

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ちょっと時代を経た住宅街には個性的な住宅がある。ギリシアやローマのような円柱が左官仕事でくっついている。和洋折衷の面白いデザインだ。ハウスメーカーも工務店も画一的なデザインが多くなってきた現在、昭和50-60年代の自由な造形に魅力を感じる。

 

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住宅地と農地が交互に現れる。先に見えるのは脊振山。空が広くて心地よい。そろそろ本格的にお腹が空いてきたなぁ。なんとか食べるもの探さないと本当に散歩終わっちゃうよ…と思っていたところに!!

 

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エビフライあります! の大きな看板。エビフライ専門店 EBI研究所 とある。迷うこと無く店内に入ろうとしたら、

 

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入口に「完売」の文字。ソーシャルエビダンス(2m以上)の文字が切ない。スタッフさんに聞いたところ、前日にTVで紹介されたため、午前中で売り切れてしまったそうだ。とほほ。

 

 

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【後日談】
同研究所のインスタ ebieguchisakana でオープン日を確認の上、再訪。オープン時間前から行列ができていた。10数分待って、ようやくゲット!! 揚がるのを待つ間、スタッフさんに気になっていたことを質問。

「上峰のショートムービーの曲をユニコーンが作っていますが、ebi研究所ってユニコーンのベーシストebi(エビ)さんと関係あるんですか?」

「いえ! その事実に気づいたのは最近です! ちなみにエビではなくイービーアイと読みます。エビ以外も取り扱うので」

「制服が、赤い野球ユニフォームなので、てっきりユニコーンも応援している広島カープにちなんでいるのかと」

「それも偶然です!!」

そうこうしている間に出来上がり。さっそく食べる。ぷりっぷり。衣が薄く身がぎっしり。頭もそのままガジガジいけます。これはビールに合うわー。ふるさと納税で大人気なのも納得。近くにあったら毎週通いたい。

とここで時を戻そう

 

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傷心のまま、お店の前の道をトボトボ歩くと、もう隣町に入ってしまう。上峰町は東西に短い。やむなく北上。

 

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やがて大きなコンクリート壁に突き当たる。目達原駐屯地のようだ。ところどころ半透明な窓があり、中の様子がなんとなく伝わってくる。ドローン飛行禁止の張り紙など、基地らしい。

 

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駐屯地境界にあった街灯。木の質感が時間の経過を伝える。さすがにお腹が空きすぎなのでインスタで調べる。国道34号沿いにすごいチャーシュー麺の店を見つける。さらに北上。

 

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溜池を越えていく。行き止まりにぶち当たったりしながら進む。自動車がギリギリ通るかどうかの道を行く。その狭さが時代を感じさせる。

 

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住宅街ごとに出来た年代が違う。この辺りは円柱があった街よりもさらに古そう。縦貼りの木の外壁の褪色具合が良い。

 

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すぐ近くにはバリバリの現代住宅が。50年後にどういう表情をしているのだろうか。
坂を上がり、国道のちょっと手前。大きなセメント工場があった

 

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大きな屋根の下に積まれた型枠がカッコイイ。錆びた質感がなんともいえない色気がある。無造作にスプレーで書かれた文字も良いですね。

 

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ようやく国道34号線に。大きな看板の下に隠れるように小さな建物があった。ラーメンと書かれた幟がまぶしい。道を渡り、赤い暖簾をくぐる。おじさんがひとりでやっている。とりあえず…

 

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ビール! ああ沁みる。ようやくですよ! そして

 

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チャーシュー麺。繊細で優しい豚骨。ビジュアル系チャーシューはバラ肉ではなくロース肉。わざわざ鹿島まで仕入れにいっているそうだ。ようやく落ち着き店内を見回す。

 

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店内には、なつかしいテーブル型ゲーム機があった。コードを繋げばまだ動くという。「高値で買い取りたいという人もいたけどね。テーブル無くなると困るけん、売らんかった」とおやじさん。ところで暖簾にも店内にも店名が書いていない。「国道にでっかい看板があるやろう!!」と言われ、外に出ると、先ほどの大きな看板の一番上に「ラーメン金星」と書いてあった。なんで気づかなかったんだろう。看板の大きさと建物の小ささのアンバランスゆえに瞬間的に関連付けられなかったのか…。

 

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心身ともに落ち着いたところで最後は「吉野ヶ里温泉 卑弥呼乃湯」へ。吉野ケ里温泉だが場所はギリ上峰町。ちゃんと確認しました。店内では歴史を学ぶパネルもあった。1時間くらいゆっくり。

 

 

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お風呂から出るとすっかり夕暮れ。冷たい空気が心地よい。上峰町編は11435歩8.7km歩いた。名所旧跡はほぼスルーだし、お店にもスルーされたが、だからこそいろんな発見があった。

 

▼取材終了後、筆者と担当Mさんとの会話
担当M「時を戻そうって」
筆者「…ちょっと流行りっぽい言葉も入れようかな、と」
担当M「個人的にはどうかと思いますが、まあそれは良いとして。なんだか◯百景みたいな小ネタを集めた感じがしますね」
筆者「でも歩いて楽しいのは、そういう発見があった時なので。みなさんもそういう視点で歩いてもらうとイイな、と」
担当M「まあ名所ばっかり歩いても、すでにどこかにあるレポートと同じになりそうですし」
筆者「ごく普通の風景の中にチラッと見えてくるものに出会うことこそ旅じゃないかと思います」

 次回も乞うご期待!?

 

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