2021.03.03 UP

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の10回目は鳥栖市を歩く。
ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      •  歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

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せっかくなので、第8回みやき編の出発地点だった千栗八幡宮からスタート。JR吉野ケ里駅から西鉄バスの久留米行きに乗車。30分弱で目的地に着いた。前回歩いたら7時間近くかかったのに!! そこから10分少々で町境に。空がどこまでも青く、花々も嬉しくて踊っている。ただ風が強くて、ちょっと肌寒い。

 

 

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お米屋さんがやっているカフェと販売所を発見。カフェに次々と人が入っていく。テイクアウトは販売所で売っているとのことなので店舗に入る。入口に唐箕が置いてある。いろんなお米を希望の精米具合で売ってくれるらしい。ご飯の味を決めるのに品種と同等に大事なのは「精米」。そこにこだわっているなら必ず美味しいはず! 今日はお外でお弁当としよう。数量限定の「福むすびセット」をゲット。

 

 

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県道145号をまっすぐ行くのはつまらないので寄道。トタンが印象的な蔵の窓が空けてある。木戸なのが良い。公民館の横にあるお堂の壁に舟が吊るしてあった。この辺りは周囲の田畑よりも数m高いが筑後川が決壊したら、ここまで浸水するのだろうか。境内には大きな石碑が。かなり歴史のある集落のようだ。

 

 

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県道や脇道を行ったり来たりしながら北上。かつてサガン鳥栖が地獄の朝練をしていた朝日山が見えてきた。雪の降る中、石段を上っていたなぁ。取材だけでもキツかったけど、スタッフのみなさんは暗い時間から来て、凍った路面を溶かしていた。走り終わった後に選手が頂上から監督を大声でいじり盛り上がっていた。なんて考えていたら、いつ間にか細い道に。暗渠の上の一段上がった歩道があった。明かり取りの窓のような穴が空いていたので覗いてみたら水が流れていた。

ところで散歩するときには、いつもドラクエウォークをしながら進んでいる。画面を見たら

 

 

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「長崎街道」の表示が。よし、県境まで長崎街道を行けるところまで行ってみよう。

 

 

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お地蔵さんがある辺りで長崎街道に合流。路面に緑の江戸時代の旅人風のイラストが入った「長崎街道」の案内表示が貼ってあった。これをたどっていけば確実だ。

国道34号を越えて、朝日山にあるゴルフ場の間の道を行く。ここの道は昔からあったんだ!! 峠に良い感じのお堂があり、すでにここでお昼休みをしたかったがアレが足りない。そうビールを売っているところがないのだ。街道沿いでビールをゲットするというミッションが加わった。

 

 

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街道は九州新幹線と交差。何百年時代が変わっても、人と人の動きはここで交わる。越えたところで6mくらいある、かなり大きな石碑があった。「精校之址」と刻まれている。かつて存在した精(しらげ)高等小学校の跡地に卒業生が建てたようだ。

 

 

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周囲はだんだん都市部となっていく。工場の裏側ってあんまり見ないけど、配管などかっこよい。鉄工所側にあった手製のカーブミラー。そのへんにあった部材だけで作っていて微笑ましい。

 

 

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再び国道を渡り住宅地へ。轟宿に入るとまっすぐな道。先に神社が見える。病院エントラスの庇が結構とんがっている。

道を進むと日子神社。ここで休みたいが、ビールは影も形も見えない。

 

 

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ようやく食料品店発見!! わらをもすがる思いで中に入るがアルコールは取り扱いなし。古い街道なのに飲食店もお店もないのは本当に不思議だ。

仕方ないので先へと進む。もうコンビニでも良いからビールを買いたい!!

立派な松が生えているアパート駐車場。きっと立派な屋敷跡地にできたからだろうが、収入を犠牲にしても3本の松を守っている。きっと大事な思い出があるのだろう。蔵造りの商家など、だんだん都心部に近づいてきた感じ。

 

 

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通りから入ったところに秋葉神社があった。普通1対のはずの狛犬がなぜか1体しかいない。ちょっと背中が寂しく感じた。

さらに進むと小さな橋のところで案内表示に「どんどん落て」の文字。どういう意味なのか? そもそもどう読むのか?「おちて」なら「落ちて」のハズだから「落て」は「らくて」なのか? 謎は深まる。

 

 

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JR鳥栖駅に通じる大通り沿いにコンビニ発見!! 駆け込みビールを買う。これで心置きなく昼飲みだっ。

どこか良い場所ないかな?と思いつつ、しばらく街道を行くと、お誂え向きの神社があった!!

 

 

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八坂神社は境内が広く、山笠の倉庫があった。本殿の横にバッチリの小さめのベンチがあった。本日の昼飲みスポットはここに決定!!

 

 

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持参のグラスにビールを注ぐ。まずは一口。いやー沁みますね。一息ついたところで、お弁当セットを開く。経木(スギもしくはヒノキを0.5-1mmの厚みで削ったもの)で包まれている。塩にぎり、鶏ごぼうにぎり、創作にぎりの3種に唐揚げ2個、卵焼き、そして漬物。こりゃビールのお供にぴったりだ。おにぎりはすっかり冷めているのに固くなっていない。きちんと炊き上げた証拠だ。塩にぎりは、そんなに塩を効かせず、米の本来の味を引き出している。逆に創作にぎりは、これでもかっというくらい旨味が強く、ビールの味わいに引けを取らない。なにより漬物がベストマッチ。

落ち着いた心で境内を散策。素敵な歌碑があった。裏の説明板によると、佐賀県文学界に多大な貢献をした豊増幸子さんのものだった。

 

 

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案内表示を頼りにジグザグに街道を進む。再び住宅街へ。個性的な倉庫に眼を奪われる。鳥栖高校の辻にある建物は角が取れていて優しい印象。そこに時間が合っていない時計があった。これを見ながら緒方孝市も向井秀徳(ナンバーガール、ZAZENBOYS)も登校したのかな?

 

 

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長崎街道は田代宿に。江戸時代は対馬藩の領地だった。久光製薬の看板が見えてくる。立派な町家の前で花の世話をしていたおじいさんと話す。「終戦後はこの道を通って長崎から来た米軍にお菓子をもらった」とのこと。おじいさんの背後にある立派な松の枝の先に金属が下がっているのが気になっていたら、笑いながら「綺麗なアーチを作るために重りを付けているんですよ。付けないとまっすぐ伸びてしまうから」と教えてくれた。

 

 

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久光製薬の横の道を行く。野外彫刻がたくさん設置されている。角を曲がると、代官所があった通りに出る。敷石の大きな民家があった。代官所の跡は小学校になっていた。片側1車線の道路は頻繁に車が通る。落ち着かない気分で歩いていく。

通りを数分行った後、長崎街道は直角に曲がる。そこにあったのが

 

 

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この古い商家。2階の窓が洋風になっている。同じような窓は料亭などに多いがここはどういう使われ方をしていたのだろうか? かぜひ中を見てみたい。

 

 

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三差路をさらに細い道へ下っていく。途中、日田・英彦山方面への街道との分岐点である追分石があった。農地や結構古そうな民家の先には長崎道とのアンダーパス。

 

 

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アンダーパス内は一面のグラフィティ。アブストラクトな感じでかっこいいなー。よく見たらクラック点検用らしく文字が書き込まれている。

 

 

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工場地帯にある狭い道を北上。ぽっかりとした空き地に、一本の大きな木が浮かんでいた。某電気メーカーのCMソング(作曲・小林亜星)を思わず口ずさむ。

右手の川の先に威厳のある鉄橋を見つけた。明治22年に完成というから出来てから132年!!! 喜劇王チャップリンやヒトラーと同じ年に生まれている。ちょうど普通列車が走っていった。バリバリ現役です。

 

 

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新しく出来た街と昔からの街が交互に現れる。古い集落では見事な煉瓦壁があった。民家の敷地の多くには小さな祠がある。長い時間、旅人を見守ってきたのだろう。

 

 

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小さな峠を何度か越えて、そろそろ基山町に入るあたり。本日はここまで18332歩。約14kmと、本連載で最も歩いた。といってもこれで終わりではなく、引き続き県境まで長崎街道を歩いていく。

 

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