2021.03.17 UP

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の13回目は唐津市の厳木を歩く。

ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      • 歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

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JR小城駅から黄色い電車でJR岩屋駅へ。先頭に陣取り風景を楽しむ。車窓からは春の息吹が伝わってくる。

 

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岩屋駅に到着。浮きをリサイクルした灰皿 ?に感心。カエルみたいでかわいい。 待合室には小学生からのメッセージ。ゴミが怪獣のように町を滅ぼしにくるイメージか。ポイ捨てはダメ絶対。駅のとなりで営業していた 唐揚げ専門店をのぞく。 1個60円!! お腹いっぱいだったけど、唐揚げは別腹? 注文があってから揚げてくれる。待っている間、「やんぺ」という店名について聞いたら、「友達がつけたんだけど、意味は分からないんだよね」という答え。本当にゆるい。さてどこで食べようか。

 

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とりあえず、駅前の県道350号沿いを多久方面へ歩くことに。道路の脇にそこそこ流れの速い水路が通っている。空き地の奥の水路には石や木が渡してあった。橋というより、石垣が崩れないよう、つっかえ棒にしているみたいだった。

 

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道路に面して、以前は商店街があったようだ。今は厳木バイパスが出来て、そちらが国道203号になったが、かつてここには国道が通っていた。歩道が狭く建物が近すぎて運転していてヒヤっとすることもあった。「のき先注意!!」の看板が往時の雰囲気を良く伝えている。道路からちょっとでもはみ出すと、岸和田のだんじりのように家の一部を壊すことになる。

 

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厳木川にかかる橋を渡る。向こうには唐津線の鉄橋。渡った先には釣り竿を持つ恵比須さま。なかなか立派だ。

 

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脇道があったのでそちらに行く。庭先の花も盛で春爛漫といった趣。児童公園の桜もそろそろ見頃、このベンチでゆっくりお酒を飲みながら花見したい。

 

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峠道を上る。小さな土壁の建物。たぶん昔のトイレだろう。かつては家から独立して配置することが多かった。道のわきに良さそうな森があった。春日神社。石段を上る。境内はぽっかりと広場があった。ここで唐揚げを食べよう。

 

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60円なのに一般的な唐揚げより大きい。一口じゃ食べれないくらいだ。ニンニク臭くないが、生姜が効いていて満足感がある。途中でお店がなかっためだが、ビールを買えなかったことが悔やまれる。

 

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坂の途中の墓地に「旅」という墓碑銘があった。こうやって歩いているのも「旅」だし、毎日同じ場所を通っても、ちょっとした変化に気づけば、それは「旅」だと思う。そういう気持ちで日常を旅したら楽しいだろうなぁ。

峠を越えると竹林があった。日陰に清冽な風が吹く。心地よし。

 

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集落に行き着く。小さな路地を進む。竹を編んだ垣根が風流。川の手前に出る。

 

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道路わきの水路に「プライベート橋 」があるなぁと思いながら進むと看板があり、「町切(ちょうぎり)の水車」 と書いてあった。引き返して水車を探そう。

 

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公園に水車の写真があった。町切の水車は江戸時代に出来た用水施設。上流の堰で厳木川から取水した用水路の水を、さらに高い位置にある田んぼに揚げるために水車を使っているという。

先ほど見た田んぼの先まで確認してみる。それらしき設備はあったが、水車本体はなかった。洪水で流されたのかな、と思いつつ、水路をさかのぼっていく。

 

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水路は堰で厳木川と分離している。時代時代に改修していると思うが、原理はきっと江戸時代から同じ。先人の知恵と努力に敬意を払いたい。

 

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見上げると唐津線の鉄橋があった。存在感のある石造の橋脚。こちらもかなりの歴史を重ねているようだ。

 

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県道に戻りしばらく歩く。箞木(うつぼぎ)小学校の前の歩道橋。県道とJR唐津線をまたいでいる。ちょうど 唐津方面から列車が来た。

 

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厳木駅 で待ち合わせていた黄色い列車が逆方向からやってきた。徐々に大きくなるディーゼル音が良い。

 

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小学校の校庭で授業。線路沿いは菜の花がいっぱい。川を渡って山裾の集落へ行く。散歩する住民さんとすれ違う。世間話をしながらゆっくり歩いている。空き地にいたヤギものんびり草を食べていた。

 

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道端にあまり見たことない紅白の桜が咲いていた。再び橋を渡り、線路側に戻ると、厳木駅の構内に煉瓦造の塔が見えた。近くに行きたくてあぜ道を通るが、水路があり行く手を阻まれる。仕方ない。回り込むことになるが駅まで行こう。

 

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厳木駅の改札口の先には桜の木々が見える。満開になったらきっと綺麗だろうな。ホームからは例の塔が良く見えた。待合室に説明板があった。塔は蒸気機関車時代の給水塔だった。厳木と多久間にある笹原峠を越えるため、ここでの補給が必要だったらしい。給水塔は昭和5年(1930)築の駅舎とともに、竹中直人監督作の映画「東京日和」に登場している。

 

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駅前を散策。コンクリート造の古い倉庫の上部は飛び込み台みたいな板がせり出している。どういう役割があるのだろうか? 集落の奥を流れる水路。そのまま辿っていく。

 

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歩行者と自転車の専用道路になっている。脇には水路がつながっている。こういうサイクルロード的なものは国鉄佐賀線跡のように、廃線跡を活用するケースが多いようだが、ここに鉄道が通っていた可能性は低い。元はなんだったのかな?と考えながら歩く。道幅は狭くなり、最後は完全に暗渠となっていた。どうやら用水路が元々あって、それを通路として活用したみたいだ。岩屋駅前から始まり、町切、そして厳木と常に用水路が通っている。

 

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用水路をさらにたどる。花盛りの道。ちょっと雅な香りがしている。道は神社の境内に突き当たる。ここの桜もそろそろ満開といった雰囲気。花見をすると良さそうな場所だ。

 

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県道沿いを歩くとなにやら立派な石の門柱。車寄せ付きの洋風建築があった。病院だろうか、学校だろうか。県道をわたり、踏切を越える。

 

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水路わきに飛び出し坊や。なぜか道路と反対側を向いている。まるで花見をしているみたい。くねくねした道を歩く。

 

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牧瀬の鉄橋で西唐津行きの列車と遭遇。すごく近くで見れる。ここも石造の橋脚だ。牧瀬地区をぶらぶら。公民館の建物。結構古そう。

 

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佐用姫の湯に到着。男性も岩盤浴ができるということで初体験。新陳代謝アップの効果があるとされる角閃石の上に横たわる。良い汗をかいた。

 

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湯上がりに温泉の前にある食堂へ。まずは生ビール。一気にゴクゴク。ちょっと落ち着いたところで、店内で大相撲中継を見ていたおばあさんと話す。

「ご贔屓の力士はいらっしゃるんですか?」

「誰っていうのはないねぇ。調子の悪い方を応援するよ」

 

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まずは鶏皮炒め。コショウと玉ねぎの甘さが抜群のハーモニー。さらのニラレバ。甘めの味付きがやみつきになる。たまらずハイボールを注文。うーん極楽。ちょっと時間があったので、気になっていたことを店の人に聞く。

「町切の水車がなかったんですが、洪水かなんかで流されたんですか?」

「いや、あれは田んぼに水を入れるときに組み立てるようになっているんだよ。今は水を抜いているから外しているんじゃないかな」

なるほど!! 田植えの時期に見に来てみよう。

 

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食堂の前にある昭和バスのバス停から多久行きに乗る。厳木編は9555歩。約7km。一日計15kmだった。  

▼取材終了後、筆者と担当Mさんとの会話

担当M「…前回から2週間空いてますよね」

筆者「前回の鳥栖基山編で20km以上歩いたのが響いて、しばらく筋肉痛になってしまいまして…。雨が多かったのもあって取材が予定どおり進みませんでした」

担当M「残り半月で7市町大丈夫ですか?」

筆者「週2ペースでいければバッチリです!!」

担当M「前回も同じようなことを聞いた気がします…。本当に大丈夫かな…」

 果たして3月末までに全20市町歩き終わるのか?次回も乞うご期待!?

 

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