2021.03.19 UP

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の15回目は歴史ある街道の風格残る江北町を巡る。第14回の大町編から続きます。

ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      • 歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

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町境がどこかちょっと分からなかったが、マンホールの蓋で江北町 に入ったことを確認。杵島商業高校のふもとを通りすぎたところで溜池があった。まずは高いところで、今後の方針を立てよう。

階段から堰提の上にでる。足音に気づいたのか飛び立つ 水鳥 。有明海方向が見える。視線を肥前山口駅方面に映すと、駅の背後の山の中腹に桜並木が見える。とりあえず長崎街道を歩きつつ駅を目指そう。

 

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古い街道らしくゆるやかな曲がり道で少し高低がある。飽きがこなくて歩きやすい。道に面した民家も歴史を感じさせるものが多い。商家のようなものだけではなく、農家のような佇まいのものも混在している。

 

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小田宿の中心部へ。江戸時期のドイツ人医師であるシーボルトやケンペルの日記にも記されたという「大楠樹」。奈良時代、僧行基がこの地にいた家族の情愛や孝行話に感動して、大楠に馬頭観音を彫ったという言い伝えがある。江戸時代に火災にあった影響で現在は観音を見ることはできないという。

 

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茶屋岩見屋の池園。説明板によれば、ここは江戸時代、鹿島藩主が参勤交代の際に利用する休憩地だったという。池園は伏流水の湧水を利用したもので、県下16の池園の中で最も古いとされている。しかし街道から覗いても池の存在すら分からない。道を戻り、脇道から塀越しにのぞくと少しだけ池が見えた。

壁の一部を桜の形くり抜いていた。木を切らずに塀を切る。こういうのが日本的感性なのだろう。

池園は残念だったが、気になったのが敷地内にあたカマボコ上の小屋。埋設下水道の鋼管として使われるコルゲートパイプでできている。

 

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明治中期に出来た関川家住宅。立面は大町編で訪ねた「土井家住宅」と同じだが、外壁の仕上げが漆喰と土壁で異なっている。仕上げの素材だけでずいぶん雰囲気が変わる。 

街道から外れたところにも大きな楠。その近くには武富善助さんの石像。どういう人かは分からなかった。お寺にあった禅僧・沢木興道の言葉。味わいのある字だ。2階に洋風窓がある住宅などに興味をひかれる。

 

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小田宿を通る上で避けては通れない佐賀を代表する名焼肉店 「かわの」。本当は極上佐賀牛を心ゆくまで堪能したいところだが、直前の連絡になってしまい満席で断念。代わりにふるさと納税で大人気の佐賀牛合挽きハンバーグを予約していた。冷凍されたハンバーグを受け取る。自宅に帰りつくことには良い具合に解凍されているだろう。ついでに調理法を教えてもらう。

      1. フライパンを火を付け、煙が上がってきたらガスレンジから外し、濡れタオルの上に置く
      2. 濡れタオルの上のフライパンにハンバーグを入れ焼き目をいれる
      3. フライパンを火に戻し蓋をした状態で弱火で5分焼く
      4. 逆の面も蓋をして弱火で5分

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横尾忠則が好きそうなY字路。狭い路地をバスが走っている。三角形の敷地に建つ商店が軍艦みたいで面白い。建物と下屋の作りがリズミカルだ。高台には落ち着いた雰囲気の住宅があった。ちょっと高級な雰囲気。

 

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青い看板が良い感じのサンドウィッチ&ケーキ屋さん。中を見るとリノベーションした建物であることが分かる。カフェスペース でひとやすみ。

 

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麦畑 を眺めながらチーズケーキとシトラスソーダ。当然アルコールはない。ねっとりチーズケーキは食べごたえあり。ソーダも清涼感があって疲れた体を癒やしてくれる。歴史ある町並みの中にこういう新しい息吹が生まれるのは大事なことだ。

もうちょっとゆっくりしたかったが日が暮れる前に桜並木までいかなくてはいけない。

 

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あぜ道を駅の裏山へ向かって歩く。ネギと風に揺れる麦。コントラストが美しい。あぜ道を行くと「スッポン捕獲禁止」の看板があった。稲を食い荒らすジャンボタニシを駆除するためにスッポンを放流しているとのこと。クリークを探しながら歩くがスッポンとは出会えなかった。残念。

まっすぐ行けば大丈夫かと思いきや、まさかの行き止まり。あぜ道を通るが、それも水路が邪魔をして、結局遠回りすることに。ちょっと落ち込んだが、そのおかげで飼育中の牛さんと出会うことができて、ちょっとほっこり。

なんだかんだと目的の山の近くへ。茅葺き屋根の家から山裾の道と合流する。

 

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タイルアートの富士山がある建物を通り過ぎて山道に入る。溜池のそばには小さな祠。池にせり出して祀られている。坂はだんだん急になっていく。ダイナミックなS字カーブを上ると、鹿島方面が見えてくる。霞んでいるが奥に多良岳山系が現れる。

 

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桜山公園に到着。満開にはちょっと早かったか。この桜並木は平成11年(1999)、108の個人団体が寄付して作られたという。500mの散策路には115本のソメイヨシノが植樹されている。

「イノシシ出没注意!」の看板。暗くなると危ないな。足早に先を急ぐ。散策路の途中には江北町のマスコット・ビッキーのイルミネーションが設置されていた。江北バイパスから見ていたが、結構大掛かりな仕掛けだったんだな。

路面は土を突き固めた三和土(たたき)のような素材でできていて足に優しい。桜の根が伸びたりして路面が割れている場所もあったが、簡単にメンテナンスできるのでモルタルやアスファルトにはしないでほしい。公園の門の先には梅林があった。駅のホームから見えた大きな身代わり観音を横目に駅前の通りに下りた。

 

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さて列車まで時間があるので、どっかで一杯と思い駅から離れた場所にあるラーメン屋まで行くがオープン前…。駅前の飲み屋街があった記憶があるのでそちらに向かうが歩行者通路になっていた。うーんどうしたものか…。と悩んでいたら路線バスがちょうど来たのでそれで帰る。今回は10920歩、約3.5km歩いた。一日合計は20239歩。計約15kmだった。

 

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家に帰って焼肉かわので買った佐賀牛ハンバーグを焼く。全6個のうち、2個分を使って料理したが、充分なボリューム。佐賀牛の上品な脂身が癖になりそう。これは我が家の定番に決定です!!

▼取材終了後、筆者と担当Mさんとの会話

担当M「ようやくペースが上がってきましたね」

筆者「気候も良いですし、季節感のあるものを探すのに苦労せず取材できています。週2ペースでなんとか行けそうです」

担当M「夏休みの宿題は最後にまとめてするタイプですか?」

筆者「えっ…。新学期になって放課後残されても終わらなかった苦い経験が」

担当M「…本当に気を抜かずにやってください」

 果たして3月末までに全20市町歩き終わるのか?次回も乞うご期待!?

 

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