2021.03.30 UP

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の19回目は古代からの歴史が残る神埼町です。

ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      • 歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

朝目を覚ますと薄暗い。天気予報晴れだったのにハズレたかな。外を見ると空が霞んでいる。黄砂だった。こんな日に最後の2カ所取材しなくてはいけないなんて…

 

 

 

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神埼駅に到着。神埼なら「王仁博士顕彰公園」と「直鳥城」に行きたい。どちらも行くと約16kmになるので現実的ではない。連日の取材と執筆で体力的にも厳しいのでレンタサイクルを借りることにした。

駅北口の「吉野ケ里遊学館」に行く。が、どう見ても営業していない。営業日は事前に確認していたから休館日のはずはない。電話で問い合わせたところ、新しい神埼市役所の裏に移転したとのこと。南口を出て10分弱歩いて到着。ママチャリを借りる。まずは王仁博士顕彰公園へ。

 

 

 

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吉野ヶ里歴史公園の横の道路まで来て北上。農道をゆっくりと。古代官道が通っていた場所があった。今は農地となっているが、ここに幅8mの道路が近畿から通じていたという。

さらに先に行ったところで自転車がパンク!! やっぱり太りすぎなのかな。ちょっと落ち込む。連絡したところ、代わりの自転車を王仁博士顕彰公園まで持ってきてくれることに。そこまで1kmくらいまで押していきます。

道のはるか先には桜の森があった。それを目標に進むことで気持ちが軽くなる。ありがとう桜の森。

 

 

 

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王仁博士顕彰公園到着。広い駐車場がある出来たばかりの立派な公園。ほどなく代わりの自転車が到着した。同公園は古事記などによると、405年(応神16年)、朝鮮半島の百済から日本に漢字を伝えたとされる王仁(わに)博士を顕彰するもの。博士はこの辺りに上陸したとの伝承がある。

あいにくの休園日で展示施設は見れなかったが、公園は自由に入れた。百済門は木造。鬼瓦の上には烏帽子のようなものが乗っている。

中央のモニュメントの中心には博士の肖像画。あれっこの烏帽子は! さっきの鬼瓦のモチーフはこれか!!  「鬼瓦にメッセージを込める」というのは時代も場所も超えて共通なんだな。肖像画の両側には、博士が伝えたとされる漢字が陶板で展示されている。日韓両国の市民に書いてもらったようだ。政治家も担当しているのだがそれぞれの字の腕前が分かるのが怖い。

公園には子ども連れが何組か訪れていた。小学生くらいの男の子「ワニどこにいるの?」お母さん「動物のワニじゃないんだよ」男の子「ワニ食べられるの?」お母さん「食べられるんじゃないかな」男の子「毒ワニは?」。その後、男の子は自分の名前の漢字があるかお母さんと一緒に探していた。

 

 

 

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公園に隣接している「鰐神社」へ。先ほどの桜の森は、その境内だった。博士はここに上陸したらしい。鳥居の額には「鰐大明神」と書かれていた。桜の花びらがカーペットのように大地を飾っていた。

 

 

 

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拝殿の後ろにの祠。ほぼカエルに見える狛犬がかわいい。「王仁天満宮」と刻まれている。天満宮といえば菅原道真を祀る社。学問の神様とされる道真と、漢字を伝えた王仁博士を同じように崇拝しているということか。

 

 

 

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境内にあった郷土の偉人顕彰碑。今泉耕吉さんと松本勘三さんです。碑文が判読ないので人物像分からず。

 

 

 

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王仁博士顕彰公園に戻る。正面に見えるスペースには休憩用のベンチがたくさんあった。ジャッキーチェンの映画で武器になりそうなやつ。

 

 

 

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神埼駅方面へ戻る。お寺の門前にあった煉瓦倉庫。袖壁の上にブリキで覆いがあった。これは梁が腐るのを防ぐため。袖壁の上に梁が乗っかっている。

 

 

 

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煉瓦の使用率が高そうな集落を発見。ちらっと見えた壁に十字の穴があった。遠回りだが、見過ごすわけにはいかない。確認できそうなところに行くと、なかなかの出来栄え。いろんなアレンジがあるが十字が2段というのは見たことない。

 

 

 

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神埼駅周辺に戻る。「直鳥城跡」に行きたかったが、またパンクすると悪いので自転車返却。体重のせいではないと慰めてもらったが、タイヤに負担を掛けているのは間違いない。徒歩ならお酒飲めるし。

長崎街道沿いを目達原まで行くことに。櫛田神社の前を通る。博多山笠の櫛田さんの本家はこっち。平安時代末、神埼は平清盛の所領だったことから非常に栄えていたという。

通りにある洋風建築の銀行はギャラリーとして利用されている様子。土蔵造りの商家をリノベーションしたブティックもあった。

さらに進むと過去最大スケールのプライベート橋があった。水路や溝ではなく、川の上にある。ちょっと渡ってみたい。

 

 

 

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お腹が空いたところで、良い感じの町中華を発見。これまた土蔵造りの商家のリノベーションだ。建物の半分はバイク屋さんみたい。お母さんによれば創業50年くらいになるという。

 

 

 

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とりあえずビール。トクトクトク。やっぱり沁みますね。小瓶がちょうど良いが、最近はどこも置いてない。店内は落ち着いた雰囲気。先客が静かに新聞を読んでいた。「本日ランチ」の「白身魚の葱ソース」という中華らしからぬ響きに興味がそそられるが、ここは「ながさき焼きそば」にする。どういうものかちょっと謎。

 

 

 

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見た目は「皿うどん」。ちゃんぽん麺を使った、いはゆる「太麺皿うどん」のことだった。麺に付けた焦げ目が良い薫り。うまみも強すぎず丁度の塩梅。

メニューには他に「だる麺」というのがあり、ちゃんぽん麺の野菜あんかけ醤油味と書かれていた。気になる。

マンガ本の品揃えも信頼できる感じ。懐かしの「パイナップルアーミー」や定番の「ゴルゴ13」のほか、「本当にあったここだけの話 うっかり失言ハプニング」という一冊があった。

 

 

 

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通りを歩くと、そのほかにも古い建物をリノベーションした事例が眼につく。マンサード屋根みたいな昔の消防署ぽい建物を使った花屋さん。煉瓦倉庫のクレープ専門店など。

面白い家も多い。古い土蔵造りの商家に、新しい建物を強引にくっつけたもの。かつてあった屋根の漆喰仕事の一部が残っているのが良い。土蔵造りが2棟並行に連結している建物。その横の空き地にはモルタルブロックの門。アーチとその上部の装飾が良い。独特の空気感が漂う。

 

 

 

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町外れの和菓子屋さん。前を通っていたら自転車の小学生が入っていく。神埼の子どもは渋いなー。ちょっと気になったので中に入る。駄菓子ゾーンがあり、小学生のは目的はそっちだった。お土産用にいちご羊羹やひしぼうろなど買う。

 

 

 

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道なりに歩いていくと、お堂がある小さな丘が現れた。解説板によると「ひのはしら一里塚」というもので、徳川家康の命で、東京・日本橋を起点として全国の主要街道に一里(約4km)ごとに設置されたという。高い建物がなかった当時は、良い目印になっただろう。

 

 

 

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田手川にかかる広円橋を渡る。字面的に関西の大物歌手・円広志が頭に浮かんでいまい、頭の中はずっと「飛んで飛んで飛んで飛んで飛んでっ 回って回って回って回るぅうううー」というフレーズが無限ループ。まあ春っぽいので良いのだが。

吉野ヶ里編に続く。

 

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