その7 太良編 有明海で海鳥と遊ぶ そして牡蠣!!

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の7回目は太良町を歩く。
ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      •  歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

早朝、最寄り駅に用事があり、思いついて太良町へ向かう。車窓から見える有明海がまぶしい。

 

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通学生でいっぱいだった車内も、多良駅で全員下車して、残るのは自分ひとりとなった。ところで町名は「太良」なのに駅名は「多良」なのはなんでだろう? 町のホームページには

昭和28年に町政を布いて多良村が多良町に変わり、昭和30年大浦村と合併して太良町となりました。

と記載されている。「大」浦と多「良」が一緒になったのなら「大良」で良さそうなのだが、画数の問題なのだろうか? それはともかく、多良駅が開業したのは1934年(昭和9年)4月16日。「太良」という地名ができる前に存在していたので、駅名は変わらず「多良駅」のまま、ということか。

 

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終点・肥前大浦駅に到着。せっかくなので海辺の道をぐるっと歩く。郷土愛あふれるカレンダーが掲示された駅舎を出て、国道207号を鹿島方面へ進む。駅の裏山に行きたいので線路わきの道をテクテクと。ぱっと見た感じ踏切ないけど、どうやったら線路を越えられるのかな? と思っていたらアンダーパスを発見!!

 

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これは低い。身長170でギリギリ頭がつかない感じ。なかなかの洞窟感だ。歩道の端に切り取られた水路を流れる水音が”洞内”に響く。外に出て線路を見上げると、先ほどまで乗っていた列車が折り返し運行していた。

 

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道端に植えられた梅のつぼみはもうそろそろ開きそう。みかん畑の間の道をさらに登っていく。小さな峠を越えたところに茶畑が。地形にへばりつくように緑の絨毯が敷き詰められている。よく見ると茶木が丸く刈り取られている。大規模な茶園では「乗用摘採機」という人が運転しながら収穫する機械が収穫しやすいように、茶木はテーブル状に整えられる。丸い茶木は「乗用摘採機」が入らない茶畑の特徴。2人1組で小型の機械を持ちながら摘採する上に、収穫した茶葉も人力で運ばなくてはいけない。農家の人の汗が作った景観だ。

さらに道を登ると、空が広くなっていく。峠だ。

 

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登りきった先には有明海が広がる。山道を下ると大浦中学校の前に出た。敷地内には気象庁の「津波観測施設」があった。

 

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ここからいよいよ海辺の道というところなのだが、気になる交通標識発見。

 

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ごくありふれた「駐車禁止」マークなのだが、その下に「3月1日から5月31日まで」と掲示されている。その3カ月間、この辺りで一体何が行われるのか? 標識が設置されるくらい、たくさんの車が来る出来事とは何だろうか? 謎である。

 

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コンクリート製の防波堤沿いに海辺の道を進む。対岸の熊本側が霞んで見える。しばらく行くと浜が見えてきた。下りてみると小さな貝殻がたくさん積もっていた。有明海沿岸にある民家では、貝殻を燃やした材料で作る「貝灰漆喰」を壁塗りに使っていた。工場もたくさんあったらしいが、現在、専業で作っているのは大川市に1件あるのみ。左官さんに聞くと、「貝灰漆喰」は一般的な「漆喰」に比べて白味が抑えられていて眼に優しい、とのこと。サスティナブルという意味でもたくさんに知ってほしい素材だ。

 

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道に戻り、カーブを曲がると港についた。のどかな水面に漁船が浮かんでいる。歩いていて気になったのが海沿いの住宅の切妻部分にある白い板。通信関係の機械みたいなのだが何なんだろうか?

 

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さらに進む。空が青くて気持ち良い。先ほどより大きな港に到着、防波堤の先には春霞の上にぽっかり浮かぶ雲仙岳。

 

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港を散策。白目が強調された恵比寿さま。なんだかユーモラスで一緒にお酒を飲みたくなる。残念ながら自販機は見つからず。

 

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散歩再開。目の前を大きな鳥が横切る。何度も旋回を繰り返す。猛禽類のようだが名前までは分からない。

 

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そういえばずっと鳥の鳴き声がしていたな…。立ち止まって海を見ると、波間にぷかぷかと海鳥が浮かんでいた。その様子をぼんやり眺めていたら、空の上を黒い雲が飛んでいた。

 

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形を常に変えながら福岡方向から熊本方向へ。有明海沖を鳥の群れが飛んでいたのだ。ゆっくり歩いていないと出会えない光景。落ち着いて見渡すと、いろんな鳥を見つけることができる。サギやカモメやシギ。

 

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体の大きな鳥ほど高いところを飛んでいる。ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されている肥前鹿島干潟にも近く、暮らしやすい環境にあるのだろう。

鳥に心奪われつつ歩みを進める。道はここから大きく曲がっていくが、運動場の先にある防波堤がまっすぐ雲仙に伸びている。遠回りになるが、防波堤の先まで行ってみよう。

 

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一歩ごとに雲仙が大きくなる。雲仙の前で海鳥の群れが踊っている。

 

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どんどん歩いて防波堤の突先まで。雲仙の手前にある堤防では1羽の鳥が静かに佇んでいた。コンクリートの壁に腰掛け、その様子をしばらくぼーっと眺める。波の声、風のざわめき、優しい陽の光。

 

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10分くらい居ただろうか。そろそろ、と思った瞬間、鳥が飛び立った。なんだか気持ちが通じ合ったようで、言い得ぬ多幸感をもらった。

 

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防波堤を戻る。養殖いかだが波に揺れている。良い顔の恵比寿さんも。竹崎の展望台が見える。

 

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海沿いの道を離れ山手の集落を歩く。細い路地が縫いように続く。空き地に咲く花が春が近いことを教えてくれる。

集落の外れまで、大分上ってきた。丘の上に大きな石を積み上げた謎の場所があった。急な坂を登り、そこまでいってみる。

 

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そこそこ大きな石がごろっと、2mくらいの高さまで置かれている。ただの石置き場のようでもある。でも、縦長に並んだ石たちの先には、竹崎の山が見えて、全体の軸線が通っている。奈良・明日香の石舞台古墳のようだし、20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチの作品のようでもある。なかなか良い風景だ。

興奮が治まり、冷静に足元を見ると、植物の種がいっぱい付いていた…。これどっかで取らないと。お腹も空いたし、国道207号に戻りつつ、最初に出会ったお店に入ろう。

謎の岩群の前の坂を下り、ぶつかった大きな道をテクテク進む。まったく民家がない。不安を抱えながら歩くこと10分弱。目の前に蟹の絵が現れた!! どうやら牡蠣焼き小屋のようだ。

 

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店内の水槽には、いろんな産地の牡蠣並んでいた。「かきは産地も様々です!」とのことだが、ここは地元竹崎かきを選ぼう。ひとつの籠に1kg。ひとり分としては多い気がしたが、結構歩いて来たし、これくらい入るだろう。焼く場所は、屋内と屋外バンガローが選べた。せっかくなので見晴らしが良さそうな屋外へ。

 

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バンガローの煉瓦で組まれた焼台の熱源はガス。網の上に牡蠣を乗せる。煙も少なく快適だ。数分でポーンと口が開く。少し我慢して、左手につけた軍手で牡蠣を持ち中身を出す。ぶりっぷり!!

 

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旨味が強い。特に貝柱に凝縮。たまらずビールを流し込む。例年、牡蠣小屋には行っているが、いつもは車なのでノンアルしか飲めない。やっぱりビールがベストマッチだ。調子に乗って蟹飯と蟹味噌汁も追加。こちらも超おすすめです。

満足しつつ店内で会計をしつつ、壁を見るとサインが貼ってある。「たけし軍団」の上に「布袋寅泰」。通なところに来てるなー。

 

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すっかり膨れたお腹をさすりつつ、店の前の道を進む。15分ほど歩くと長崎本線の踏切。

 

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さて、この先どうしよう? 肥前大浦駅に戻るか、長崎県境を目指すか。しばらく悩んだ後、県境へ向かう。コミュニティバスもあるみたいだし、キツかったら、それに乗ればよいし。

 

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国道207号を南下する。点在する牡蠣小屋の手描き看板が良い感じ。20分ほど歩くと下り坂の先に雲仙が見えてきた。近くに「有明海の湯」という看板があった。後で入ろう。

 

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さらに進むとコンビニがあった。「太良県界店」。「県界」で「けんざかい」と読むようだ。「県境」ではなく「県界」なのはなぜだろう? と疑問を抱えつつ道を行くと、店のすぐ先に大きな橋があった。川が県境になっているケースもあるので、この辺りかな、と思っていたが、それを表す表示的なものはない。もっと先かな? と思っていると、橋の上に「路面凍結注意」と書かれた看板。下に「長崎県」と書かれていた。

目的地に着いたことだし、さっきの温泉に行って帰ろう。来た道を引き返す。最寄りのバス停を見つけたので帰りの時刻をチェック。なんとコミュニティバスは試験運行中で、この日は運休だった…。ここから肥前大浦駅まで2kmくらい。ちょっとキツイなー。風呂上がりに汗かきたくないし。まあお風呂に入って考えよう。

 

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「有明海の湯」到着。フロントで駅までの交通手段を聞くが、やはりバスはない。タクシーは呼べるとのことなので、電話番号を教えてもらい連絡、1時間後に予約する。
安心したところでお風呂でゆっくりする。露天風呂からは、悠然と佇む雲仙を愉しめた。

風呂から上がり、すでに待っていたタクシーに乗り肥前大浦駅へ。あっという間に到着。今回は13868歩で約10kmくらい歩いた。
肥前山口駅行きの列車に乗る。そういえば湯上がりの一杯がなかったな…。鹿島取材で見つけた肥前浜駅の日本酒バーはもうできているはず。ちょっと立ち寄ってみるか。

 

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肥前浜駅で下りて「HAMA BAR」へ。鹿島市内6蔵元の日本酒が置いてある。飲み比べセットは「大吟醸」「純米吟醸」「純米」などランク別。各蔵のお酒が3盃ずつ愉しめる。
1本後の列車に乗ればゆっくり楽しめるのだが、次の用事に間に合わない。路線バスを利用すれば、なんとか10分くらい滞在できそう。ということで、1盃だけ頂くことに。先日の鹿島取材でお世話になった矢野酒造の蔵心をチョイス。おつまみは海苔セット。海苔は焼海苔、味海苔、塩海苔の3種を食べ比べるという趣向。やや甘めの飲み口に、海苔の塩っぱさがベストマッチ。今度はゆっくり過ごしたい。

 

▼取材終了後、筆者と担当Mさんとの会話
担当M「ずいぶん間が空きましたね」
筆者「…緊急事態宣言中に取材するのはどうかな、と思いまして」
担当M「それはそうでしょうが、取材から文章にするのに時間がかかり過ぎてないですか?」
筆者「実際に歩いて見ると、面白いものが多すぎて、やっぱりどうしても文章量が多くなってしまうんですよ…」
担当M「20市町の半分も行っていませんね」
筆者「次からは適切な文章量を心がけつつ、1日2市町取材するようにします!!」
担当M「本当に出来るのかなぁ?」

 次回も乞うご期待!?

その8 みやき編 煉瓦を愛でながら行く野辺の道

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の8回目は初の県東部を2町連続して攻めます。まずはみやき町編。ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      • 歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

久留米の所用があったので、帰るついでに県東部の2町を散歩することに。西鉄バスの目達原行に乗り、「千栗八幡宮前」で降りる。千栗八幡宮とは

「鎮西要略」によれば「神亀元年(724年)肥前国養父郡の郡司壬生春成が八幡大神の御神託を蒙(こうむ)って千根(ちこん)の栗が生えている地に創祀した」と伝えられています。

なぜ「千栗」と書いて「ちりく」と読むかというと、壬生春成が千栗山に猟をしに行くと、八幡大菩薩の使いである一羽の白い鳩が飛んできて弓の先に止まりました。その晩、白髪の翁が丸い盆に千個の栗を盛って枕元に授け、「この地に八幡神を祀れ」という夢を見ました。翌日、再び千栗山に猟に行くと、何と逆さに植わった千個の栗から栗の木が一夜のうちに生い茂っていたことから「くり」を逆さにして、「ちりく」というようになったとの言い伝えがあります。
承平年間(931年〜938年)に宇佐八幡宮の別宮になり、以来、五所別宮(大分八幡・千栗八幡・藤崎八幡・新田八幡・鹿児島神宮)の一と称せられ朝廷からも厚く崇敬を受けていました。
慶長14年(1609)には後陽成天皇より「肥前国総廟一宮鎮守千栗八幡大菩薩」の勅頼を賜りました。
中世以降は肥前国一の宮と呼ばれています。
みやき町観光情報「みやきsanpo」より引用

 

 

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バス停の裏には川が流れていて、河原に木の鳥居があった。昔は川から参拝する人たちがいたのだろうか。道を渡って石段を見上げる。なかなかの急傾斜だ。わきにあった石碑に注目。

 

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「栄光への石段」。1992年、バルセロナオリンピック柔道男子71kg級金メダリスト”平成の三四郎”古賀稔彦さんは、この石段を「わが師」と仰ぎ心身を鍛えたのか。これは心して登らねば。ゆっくり行っても半分を超えたあたりから足がプルプルする。何度も上り下りを繰り返す初老の男性に抜かれつつ、146段の石段を上り終える。

 

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境内の展望所からは、筑後平野が見渡せた。久留米からバスで来た道がまっすぐ伸びている。先には高良山が見える。そういえば高良大社も「筑後国一之宮」と称している。肥前と筑後の「一之宮」がこんなに近接しているのは何か理由があるのだろうか? 境内を散策した後、本殿の裏の道から西方面へ歩き出す。

 

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清涼感のある竹林を抜けると静かな住宅街に。煉瓦造りの小屋、というには小さすぎるものがあった。いったん通り過ぎたが、気になり確認すると中にはポンプが設置してあった。もっと簡単に覆う方法はいくらでもありそうだが、住んでいる人の景観への意識を感じずにはいられない。

 

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道は微妙な高低差をゆるやかに蛇行しながら伸びていく。地形に寄り添う様子から、はるか昔から人々が往来していたものと推察される。こういう道は飽きがこない。どうやら県道22号の1本北側の道を行っているようだ。途中、ブラタモリに出てきそうな暗渠入口を発見。これも煉瓦造り。

 

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住宅の庭にある梅も満開。きれいに手入れされているお家が多く歩いていて楽しい。辻には立派な建物が。全面道路のかさ上げっぷりを見るに、随分前からあるようだ。いろんな素材で作られた建物を「混構造」と呼ぶのだが、途中発見した倉庫は土壁、下地の竹、木の柱、トタンそして煉瓦と5つの素材を使っている。それぞれが用いられた時代は異なっている。素材の歴史が分かる壁面だ。

 

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古い道の脇には水路があるケースが多く、住宅へのアクセスのため「プライベート橋」がある。この通りには8つあった。だいたいコンクリート製なのだが、あ厚みはバラバラ。結構、薄いものがあったが、これは自動車を使わないからだろう。道端には謎の石が奉られていたり、いろいろと面白い。

 

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住宅街からだんだん農村地帯へ。分岐に来たら極力細い道を選ぶ。辻々には印象的な樹木だったり、小屋がある。

 

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小さな川に差し掛かったら鳥居があった。気になり土手を進むと「下宮」との扁額だけが置いてあった。どうやら千栗八幡宮の下宮らしい。ここでも川との関係が気になった。気持ち良い川べりでしばし休憩。

 

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川を上り対岸へ。西海岸のようなお庭を愉しみながら、川にある堰に行く。小さな枝があった。上流から流されてここに留まっているのか、誰かが置いたのか。誰かが置いたとしたら、きっと困っていた小人を助けるためなのだろう。…ちょっと妄想入ってきだしたので反省。

 

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これまた素敵な壁発見。つい小さな道を進んでしまう。表面がぼろぼろの壁は、煉瓦ではなく、モルタルのブロックを積み重ねたもの。しっかり焼き締めた煉瓦と比べて柔らかいため風化しやすい。その肌合いが逆に美しい。ブロックの骨材として製鉄の際に出る屑(鉱滓=こうさい)を使ったものは北部九州で広く使用されていて、県内でも良く見かける。良い壁に誘われて小道を行くが、丘に突き当たり行き止まりに。道を引き返し、先ほどの丘の突端の前に差し掛かると…

 

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東尾地蔵菩薩堂があった。境内の縁起によると、ここは「隈の墓」と呼ばれる場所だったとのこと。ひょっとしたら古墳だったのかもしれない。お堂の下にはなぜか「南極の石」が置いてあった。いろいろ気になる場所だ。

 

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道なりに歩くと、再び小高い丘があり「龍王神社」があった。この道は山裾を伝っていて、それぞれの「岬」のような場所に神社があるようだ。ちょっと先に行くと天吹酒造があった。手軽に持ち運べそうな「日下無双」の純米スパークリングを購入。宮本武蔵の父親とされる新免無二が足利義昭から賜った称号「日下無双」と杜氏・日下信次さんの名字を掛けているネーミング。蔵の人によれば、辛口とのこと。これに何を合わせようか? 近くにはお店はなさそう。ネットで調べたところ、みやき町で育てられている「神バナナ」商品が、この近くにある町役場で販売されているという。さっそく行ってみる。
「神バナナ」とは、みやき町で栽培されている「皮ごと食べられるバナナ」。今回はジェラートをチョイス。辛口の日本酒に合いそうだ。次はどこで味わうか。アイスとスパークリング日本酒なので、なるべく近くで休憩したい。

 

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といいながら、ついつい目についた銅像に引き寄せられてしまう。役場前にあった。「木下十四三」という旧北茂安村長や衆議院議員を歴任した方らしい。「十四三」って何と読むのでしょうか? ちなみに役場内には市村記念体育館を寄贈したことで佐賀県民ならお馴染みのリコー創業者の市村清の銅像があった。
気を取り直して、休憩場所を探しつつ、県道の1本北の道を進む。と、そこに素晴らしい煉瓦建築を発見!

 

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何といっても、角のアール部分。最上部の装飾的な煉瓦の並べ方や基礎の石組みも素晴らしい。これまで県内でみた煉瓦造小屋の中で最高峰。壁に映る木の影に物語が始まりそう。もはやロンドンとか、そういう趣だ。興奮して、おもわず玄関で声を掛けるが、残念ながら不在の模様。あわよくばここで煉瓦壁を愛でながら、お酒を味わいたかったが仕方ない。後ろ髪を引かれながら先へ行く。

 

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しばらく行くと川が流れていた。きれいに芝刈りされた土手があった。ぽかぽか陽気だし、ここでいいんじゃない。座って日本酒を出す。スパークリングだけに泡が吹き出すが、これも愉しみのひとつ。まずは一口。泡が細かくなめらかな口当たり。お米の味わいをしっかり感じつつ後に残らない。続いて「みやき神バナナジェラート」。まだ溶けてなかった。国産バナナのほのかな甘さが日下無双と見事にマリアージュ。コース料理のデザートのような味わい。ほろ酔い気分で脊振山を眺めたり、川の流れをぼんやり見つめたり、と極上の時間を楽しむ。

 

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土手を下りて、農道を再び西へ。煉瓦造りの廃墟の脇を歩く。なだらかな上り。未舗装の道は足に優しい。すると神社の裏手に出た。境内に行ってみると本殿のわきに赤い小さな建物があった。宝物殿と書かれている。中に何が入っているのか気になる。自然石が祀らえていた。鳥居の扁額には「物部宮」と書かれている。道は県道と突き当たる。正面には「弓」とだけ書かれた看板。武具店なのかな、とおもったらガラス戸にヘアーサロンと表記してあった。「弓」は名字なのだろう。その後、歩いていると「弓」姓の店舗が複数あることが分かった。ネットで調べたところ「弓」姓は全国に約450人しかいないようで、そのうち140人がみやき町在住だという。

 

 

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少し県道を歩いた後、再び1本北の道へ。地形に寄り添うようにカーブした上り道。苔むした車止めが羅漢さんに見えてくる。擁壁を削ってつくられた階段。すごく急だ。峠を越えて下り道。鮮やかな青い小屋がなぜかマッチしている。下りきったところには池があり、真ん中にお地蔵さんが祀られていた。

 

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池の先の細い道を上ると「中津隈宝満宮」があった。メタリックな扁額がインパクト大!! 境内に入るとシルバーの狛犬!! 対となるもう1体はゴールド!!! もはやガンプラみたいだ。本殿の彩色も鮮やか。神社といえば白木というイメージがあるが、日光東照宮など絢爛豪華なものもある。とはいえメタリック神社は初めて見た。
社殿の奥には前方後円墳があった。

前方部は中津隈宝満神社本殿により削平を受けており、今は高さ約7m、直径約36mの後円部のみが現存しています。表層から確認されている埴輪や須恵器などから、5世紀中頃から後半に築かれたものと推察され、この地方の豪族の墳墓と考えられています。この場所から西の方角に2キロ行った上峰町には応神天皇の皇曾孫、都紀女加王(つきめかおう)王墓があり、関係があるのではないかと言われています。
また、拝殿の東南側には石室が露出している横穴式古墳があり、こちらは5世紀後半から6世紀にかけてのものと推測されています。
みやき町観光情報「みやきsanpo」より引用

境内にぽつんと置かれた石組みもなんだか古墳の一部に思えてくる。

先ほどの「東尾地蔵菩薩=隈の墓」といい、平野に向かって岬状に突き出した部分に古墳や神社が点在している。思想家・中沢新一が「アースダイバー」で描いたように、地形とそこに与えられる役割は古代から現在まで変わらない。平地から上がった岬状の丘のような、見晴らしの良い場所は、古来、神社や墓地などが建てられてきた。そういう視点で街歩きをすると、いろいろな発見がある。

 

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県道に出て、南側の集落を行く。煉瓦をたくさん使っている。手作りっぽいアーチが楽しい。農道に出るとみやき町はここまで。煉瓦と神社と古墳。昔の道に誘われるまま歩いたら歴史の断片を感じた全12234歩、 約9kmの旅だった。そのまま上峰町編へ突入。

その9 上峰編 住宅街の変化を楽しむ

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の9回目は上峰町編。みやき町に続いて同じ日に連続して攻略してます。

 

 

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まっすぐな道を歩くと、「上峰町」の看板。しばらく行くと畑の先に町役場が見えてくる。上峰町といえば、昨年末、町のショートムービー「鎮西八郎為朝」

のために、あのユニコーンが新曲「TIME-TO-MORE」を書き下ろしたことが話題になっていたなあ。とかなんとか考えながら町役場の前を通過。

 

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良い感じの道に出た。なだらかな上り坂を行くと、飲み屋さんが点在していた。英語表記が親切だ。乗合タクシーの名称が「上峰町のらんかいバス」。”のらんかい”とはかなりフランクな雰囲気だ。
坂を上ると住宅街があった。

 

 

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イナバウアーしている飛び出し注意の女の子。まあ逆向きに設置してしまっただけでしょうが、ちょっと微笑ましい。

 

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古民家の蕎麦屋さんがあった。うまく判別できないが「5と?のつく日ぜんざいサービス」と書いている模様。テンション上がるが定休日…。満開の梅を見ながら蕎麦食べたかったなあ。急にお腹が減りだす。

 

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辻に祀られていたお地蔵様。ミッドセンチュリー的なテキスタイルがナイス。近くにあったも元商店の幕の配色にも同じセンスを感じる。トタンの雨戸の素材感に惹かれる。

 

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道よりちょっと高いところにある神社。扁額を見て一瞬「Z宮」かと思ったが「乙宮」。境内にはダイナミックに跳ねる狛犬がいた。本殿の奥には良い感じの公園があった

 

 

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奥にはパンダ。目つきが悪い。熊要素を強く感じる理由について考える。これ、眼の周りの白い部分が余計なんじゃないかな。実物パンダはほぼ黒眼で、眼のまわりの黒い模様と一体化している。眼が大きく見えて可愛らしく感じるのではないだろうか。なんで可愛くない方向に”盛った”のだろうか?
境内に戻ると謎のサンドアートがあった。オブジェのような丸太も気になる。

 

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境内から見下ろすと良い感じの納屋があった。瓦が表情豊か。今のものは均一な仕上がりなので、こういう味わいはない。屋根が2段になっていて、横の断面を見ると、キリスト教の教会様式で最も古い「バシリカ式」のようになっている。加えて、外壁の木材が横貼りされているので、どことなく洋風な雰囲気が漂っている。

 

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歩いていると、ユニークな名前のアパートに出会う。「Margaret Fill」。どういう意味なんだろう? アパートやマンションの名前で「hill」はよく見かけるが「fill」は初めて。 英語で、満たす、埋める、注ぐという意味だから「マーガレットがいっぱい」となるのかな。でも花のマーガレットはMargueriteなので綴が違う。少女漫画雑誌「マーガレット」の英語表記はMargaretで一緒なのだが、「(少女漫画雑誌)マーガレットがいっぱい」というのはなかなかマニアックな解釈だと思う。そういえば途中に「BL」というアパートがあった。下にBETTER LIFEと書いていたので、なかなか良いネーミングだと思っていたが、別の意味合いが込められているのかもしれない。そんな妄想をするのも散歩の楽しみ。

 

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お店はほとんど見当たらない。このままでは何も買わないまま終わるかもしれない。そんな緊張感を抱いていたら無人販売所があった。とりあえず100円でさつまいもを買う。家に帰って天ぷらにしたら、すごく甘くて美味しかった。

 

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ちょっと時代を経た住宅街には個性的な住宅がある。ギリシアやローマのような円柱が左官仕事でくっついている。和洋折衷の面白いデザインだ。ハウスメーカーも工務店も画一的なデザインが多くなってきた現在、昭和50-60年代の自由な造形に魅力を感じる。

 

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住宅地と農地が交互に現れる。先に見えるのは脊振山。空が広くて心地よい。そろそろ本格的にお腹が空いてきたなぁ。なんとか食べるもの探さないと本当に散歩終わっちゃうよ…と思っていたところに!!

 

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エビフライあります! の大きな看板。エビフライ専門店 EBI研究所 とある。迷うこと無く店内に入ろうとしたら、

 

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入口に「完売」の文字。ソーシャルエビダンス(2m以上)の文字が切ない。スタッフさんに聞いたところ、前日にTVで紹介されたため、午前中で売り切れてしまったそうだ。とほほ。

 

 

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【後日談】
同研究所のインスタ ebieguchisakana でオープン日を確認の上、再訪。オープン時間前から行列ができていた。10数分待って、ようやくゲット!! 揚がるのを待つ間、スタッフさんに気になっていたことを質問。

「上峰のショートムービーの曲をユニコーンが作っていますが、ebi研究所ってユニコーンのベーシストebi(エビ)さんと関係あるんですか?」

「いえ! その事実に気づいたのは最近です! ちなみにエビではなくイービーアイと読みます。エビ以外も取り扱うので」

「制服が、赤い野球ユニフォームなので、てっきりユニコーンも応援している広島カープにちなんでいるのかと」

「それも偶然です!!」

そうこうしている間に出来上がり。さっそく食べる。ぷりっぷり。衣が薄く身がぎっしり。頭もそのままガジガジいけます。これはビールに合うわー。ふるさと納税で大人気なのも納得。近くにあったら毎週通いたい。

とここで時を戻そう

 

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傷心のまま、お店の前の道をトボトボ歩くと、もう隣町に入ってしまう。上峰町は東西に短い。やむなく北上。

 

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やがて大きなコンクリート壁に突き当たる。目達原駐屯地のようだ。ところどころ半透明な窓があり、中の様子がなんとなく伝わってくる。ドローン飛行禁止の張り紙など、基地らしい。

 

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駐屯地境界にあった街灯。木の質感が時間の経過を伝える。さすがにお腹が空きすぎなのでインスタで調べる。国道34号沿いにすごいチャーシュー麺の店を見つける。さらに北上。

 

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溜池を越えていく。行き止まりにぶち当たったりしながら進む。自動車がギリギリ通るかどうかの道を行く。その狭さが時代を感じさせる。

 

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住宅街ごとに出来た年代が違う。この辺りは円柱があった街よりもさらに古そう。縦貼りの木の外壁の褪色具合が良い。

 

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すぐ近くにはバリバリの現代住宅が。50年後にどういう表情をしているのだろうか。
坂を上がり、国道のちょっと手前。大きなセメント工場があった

 

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大きな屋根の下に積まれた型枠がカッコイイ。錆びた質感がなんともいえない色気がある。無造作にスプレーで書かれた文字も良いですね。

 

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ようやく国道34号線に。大きな看板の下に隠れるように小さな建物があった。ラーメンと書かれた幟がまぶしい。道を渡り、赤い暖簾をくぐる。おじさんがひとりでやっている。とりあえず…

 

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ビール! ああ沁みる。ようやくですよ! そして

 

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チャーシュー麺。繊細で優しい豚骨。ビジュアル系チャーシューはバラ肉ではなくロース肉。わざわざ鹿島まで仕入れにいっているそうだ。ようやく落ち着き店内を見回す。

 

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店内には、なつかしいテーブル型ゲーム機があった。コードを繋げばまだ動くという。「高値で買い取りたいという人もいたけどね。テーブル無くなると困るけん、売らんかった」とおやじさん。ところで暖簾にも店内にも店名が書いていない。「国道にでっかい看板があるやろう!!」と言われ、外に出ると、先ほどの大きな看板の一番上に「ラーメン金星」と書いてあった。なんで気づかなかったんだろう。看板の大きさと建物の小ささのアンバランスゆえに瞬間的に関連付けられなかったのか…。

 

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心身ともに落ち着いたところで最後は「吉野ヶ里温泉 卑弥呼乃湯」へ。吉野ケ里温泉だが場所はギリ上峰町。ちゃんと確認しました。店内では歴史を学ぶパネルもあった。1時間くらいゆっくり。

 

 

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お風呂から出るとすっかり夕暮れ。冷たい空気が心地よい。上峰町編は11435歩8.7km歩いた。名所旧跡はほぼスルーだし、お店にもスルーされたが、だからこそいろんな発見があった。

 

▼取材終了後、筆者と担当Mさんとの会話
担当M「時を戻そうって」
筆者「…ちょっと流行りっぽい言葉も入れようかな、と」
担当M「個人的にはどうかと思いますが、まあそれは良いとして。なんだか◯百景みたいな小ネタを集めた感じがしますね」
筆者「でも歩いて楽しいのは、そういう発見があった時なので。みなさんもそういう視点で歩いてもらうとイイな、と」
担当M「まあ名所ばっかり歩いても、すでにどこかにあるレポートと同じになりそうですし」
筆者「ごく普通の風景の中にチラッと見えてくるものに出会うことこそ旅じゃないかと思います」

 次回も乞うご期待!?

その10 鳥栖編 長崎街道 延々とビールを求めて

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の10回目は鳥栖市を歩く。
ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      •  歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

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せっかくなので、第8回みやき編の出発地点だった千栗八幡宮からスタート。JR吉野ケ里駅から西鉄バスの久留米行きに乗車。30分弱で目的地に着いた。前回歩いたら7時間近くかかったのに!! そこから10分少々で町境に。空がどこまでも青く、花々も嬉しくて踊っている。ただ風が強くて、ちょっと肌寒い。

 

 

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お米屋さんがやっているカフェと販売所を発見。カフェに次々と人が入っていく。テイクアウトは販売所で売っているとのことなので店舗に入る。入口に唐箕が置いてある。いろんなお米を希望の精米具合で売ってくれるらしい。ご飯の味を決めるのに品種と同等に大事なのは「精米」。そこにこだわっているなら必ず美味しいはず! 今日はお外でお弁当としよう。数量限定の「福むすびセット」をゲット。

 

 

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県道145号をまっすぐ行くのはつまらないので寄道。トタンが印象的な蔵の窓が空けてある。木戸なのが良い。公民館の横にあるお堂の壁に舟が吊るしてあった。この辺りは周囲の田畑よりも数m高いが筑後川が決壊したら、ここまで浸水するのだろうか。境内には大きな石碑が。かなり歴史のある集落のようだ。

 

 

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県道や脇道を行ったり来たりしながら北上。かつてサガン鳥栖が地獄の朝練をしていた朝日山が見えてきた。雪の降る中、石段を上っていたなぁ。取材だけでもキツかったけど、スタッフのみなさんは暗い時間から来て、凍った路面を溶かしていた。走り終わった後に選手が頂上から監督を大声でいじり盛り上がっていた。なんて考えていたら、いつ間にか細い道に。暗渠の上の一段上がった歩道があった。明かり取りの窓のような穴が空いていたので覗いてみたら水が流れていた。

ところで散歩するときには、いつもドラクエウォークをしながら進んでいる。画面を見たら

 

 

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「長崎街道」の表示が。よし、県境まで長崎街道を行けるところまで行ってみよう。

 

 

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お地蔵さんがある辺りで長崎街道に合流。路面に緑の江戸時代の旅人風のイラストが入った「長崎街道」の案内表示が貼ってあった。これをたどっていけば確実だ。

国道34号を越えて、朝日山にあるゴルフ場の間の道を行く。ここの道は昔からあったんだ!! 峠に良い感じのお堂があり、すでにここでお昼休みをしたかったがアレが足りない。そうビールを売っているところがないのだ。街道沿いでビールをゲットするというミッションが加わった。

 

 

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街道は九州新幹線と交差。何百年時代が変わっても、人と人の動きはここで交わる。越えたところで6mくらいある、かなり大きな石碑があった。「精校之址」と刻まれている。かつて存在した精(しらげ)高等小学校の跡地に卒業生が建てたようだ。

 

 

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周囲はだんだん都市部となっていく。工場の裏側ってあんまり見ないけど、配管などかっこよい。鉄工所側にあった手製のカーブミラー。そのへんにあった部材だけで作っていて微笑ましい。

 

 

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再び国道を渡り住宅地へ。轟宿に入るとまっすぐな道。先に神社が見える。病院エントラスの庇が結構とんがっている。

道を進むと日子神社。ここで休みたいが、ビールは影も形も見えない。

 

 

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ようやく食料品店発見!! わらをもすがる思いで中に入るがアルコールは取り扱いなし。古い街道なのに飲食店もお店もないのは本当に不思議だ。

仕方ないので先へと進む。もうコンビニでも良いからビールを買いたい!!

立派な松が生えているアパート駐車場。きっと立派な屋敷跡地にできたからだろうが、収入を犠牲にしても3本の松を守っている。きっと大事な思い出があるのだろう。蔵造りの商家など、だんだん都心部に近づいてきた感じ。

 

 

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通りから入ったところに秋葉神社があった。普通1対のはずの狛犬がなぜか1体しかいない。ちょっと背中が寂しく感じた。

さらに進むと小さな橋のところで案内表示に「どんどん落て」の文字。どういう意味なのか? そもそもどう読むのか?「おちて」なら「落ちて」のハズだから「落て」は「らくて」なのか? 謎は深まる。

 

 

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JR鳥栖駅に通じる大通り沿いにコンビニ発見!! 駆け込みビールを買う。これで心置きなく昼飲みだっ。

どこか良い場所ないかな?と思いつつ、しばらく街道を行くと、お誂え向きの神社があった!!

 

 

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八坂神社は境内が広く、山笠の倉庫があった。本殿の横にバッチリの小さめのベンチがあった。本日の昼飲みスポットはここに決定!!

 

 

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持参のグラスにビールを注ぐ。まずは一口。いやー沁みますね。一息ついたところで、お弁当セットを開く。経木(スギもしくはヒノキを0.5-1mmの厚みで削ったもの)で包まれている。塩にぎり、鶏ごぼうにぎり、創作にぎりの3種に唐揚げ2個、卵焼き、そして漬物。こりゃビールのお供にぴったりだ。おにぎりはすっかり冷めているのに固くなっていない。きちんと炊き上げた証拠だ。塩にぎりは、そんなに塩を効かせず、米の本来の味を引き出している。逆に創作にぎりは、これでもかっというくらい旨味が強く、ビールの味わいに引けを取らない。なにより漬物がベストマッチ。

落ち着いた心で境内を散策。素敵な歌碑があった。裏の説明板によると、佐賀県文学界に多大な貢献をした豊増幸子さんのものだった。

 

 

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案内表示を頼りにジグザグに街道を進む。再び住宅街へ。個性的な倉庫に眼を奪われる。鳥栖高校の辻にある建物は角が取れていて優しい印象。そこに時間が合っていない時計があった。これを見ながら緒方孝市も向井秀徳(ナンバーガール、ZAZENBOYS)も登校したのかな?

 

 

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長崎街道は田代宿に。江戸時代は対馬藩の領地だった。久光製薬の看板が見えてくる。立派な町家の前で花の世話をしていたおじいさんと話す。「終戦後はこの道を通って長崎から来た米軍にお菓子をもらった」とのこと。おじいさんの背後にある立派な松の枝の先に金属が下がっているのが気になっていたら、笑いながら「綺麗なアーチを作るために重りを付けているんですよ。付けないとまっすぐ伸びてしまうから」と教えてくれた。

 

 

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久光製薬の横の道を行く。野外彫刻がたくさん設置されている。角を曲がると、代官所があった通りに出る。敷石の大きな民家があった。代官所の跡は小学校になっていた。片側1車線の道路は頻繁に車が通る。落ち着かない気分で歩いていく。

通りを数分行った後、長崎街道は直角に曲がる。そこにあったのが

 

 

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この古い商家。2階の窓が洋風になっている。同じような窓は料亭などに多いがここはどういう使われ方をしていたのだろうか? かぜひ中を見てみたい。

 

 

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三差路をさらに細い道へ下っていく。途中、日田・英彦山方面への街道との分岐点である追分石があった。農地や結構古そうな民家の先には長崎道とのアンダーパス。

 

 

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アンダーパス内は一面のグラフィティ。アブストラクトな感じでかっこいいなー。よく見たらクラック点検用らしく文字が書き込まれている。

 

 

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工場地帯にある狭い道を北上。ぽっかりとした空き地に、一本の大きな木が浮かんでいた。某電気メーカーのCMソング(作曲・小林亜星)を思わず口ずさむ。

右手の川の先に威厳のある鉄橋を見つけた。明治22年に完成というから出来てから132年!!! 喜劇王チャップリンやヒトラーと同じ年に生まれている。ちょうど普通列車が走っていった。バリバリ現役です。

 

 

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新しく出来た街と昔からの街が交互に現れる。古い集落では見事な煉瓦壁があった。民家の敷地の多くには小さな祠がある。長い時間、旅人を見守ってきたのだろう。

 

 

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小さな峠を何度か越えて、そろそろ基山町に入るあたり。本日はここまで18332歩。約14kmと、本連載で最も歩いた。といってもこれで終わりではなく、引き続き県境まで長崎街道を歩いていく。

その11 基山編 長崎街道を県境まで。標語ポールが気になる

中年男子が佐賀県全20市町をぶらぶら歩く連載の11回目は基山町を歩く。本連載最長の約14km歩いた第9回鳥栖編からノンストップで基山町の長崎街道を北上し県境を目指す。

ルールは

      • 公共交通機関で現地まで移動
      •  歩く距離はだいたい5km
      • 2021年3月末までに全20市町を散歩する
      • 美味しいものをきちんと紹介する
      • お酒はほどほどなら大丈夫!
      • 基本はぶっつけ本番。面白いものに当たるまで歩くべし
      • 旬の風景を探そう

 

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多分この辺りが町境のはずだけど…。表示も何もないな、と思っていたら庭先で野菜の手入れをするおばあさんがいた。

「ここは基山町ですか」と尋ねたところ、手を止めて「そうですよ。3軒手前から基山です」と教えてくれた。

 

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基山町では手作り案内板が長崎街道を教えてくれる。郷土愛が伝わる。町の花はつつじ、とのこと。鳥栖に続き、新しい街と古い街が交互に現れる。

 

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川沿いの白いポールに「源氏ほたる発祥の地」と書いてあった。後日調べたところ、大正10年(1921)に九州帝国大学医学部が、この川に源氏ほたる養殖場を設置したとのこと。目的は病原駆除や発光細菌の研究素材としてだったらしい。生き物に関することを「発祥」というのは違和感を覚えるが、こんなところにも歴史が埋まっているんだと思うと感慨深い。

「リバー橋」。…まあ問題があるわけでないが何かムズムズする。リバーの範囲が広すぎて特定できない。これじゃ名前にならないのではないか。普通はその川の名前だったり、地区の名前だったり、他と区別できるようなものにするはず。だが「リバー橋」。ざっくりネット検索したが「リバー橋」は出てこなかった。じゃあこれで特定できるということか…。みんなが知っている言葉の組み合わせで、他にはない。「名前」の機能としては最高のものとなる。狙ってやっているとたらすごいぞ基山町民!!

 

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川沿いを歩いていくと、屋根の高い建物があった。ちょっと覗いてみたら、日本酒・基峰鶴の酒蔵だった。事務所は年代物の椅子やレジが展示されていて、歴史を感じる。小さな瓶の清酒などを購入。スタッフの人に基山ラジウム温泉を教えてもらう。基山に温泉があるとは!! 食事もできるらしいので、県境に到達したらそこを目指そう。外には砂漆喰みたいな質感の防火用水。これも良い雰囲気だった。入口にはバンクシー風の鶴のイラストもあり、伝統を大事にしながら、新しいものに挑戦する意識を感じた。

 

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建物の裏には「清酒キホウツル」のロゴが印象的な建物があった。土手に咲いた菜の花が美しい。その側には

 

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「この公園あの道路みんなの税でできている」という標語?が書かれたポールがあった。先ほどの「源氏ほたる発祥の地」のものと同じようなスタイル。鳥栖で何個か見たことあったが、他の町にはないと思う。県東部独自のものなのか?

 

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だんだん建物が密集してくる。道は自然なカーブを描く。店頭の飾り窓の装飾が時代を感じさせる。丁寧な仕事だ。いつの間にか基山駅前に。

 

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古民家をうまくリノベーションしたお店があった。インディゴの暖簾や半纏がカッコイイ。手描きのカレー看板に興味をそそられる。

昔の小学校の木造校舎のような建物が現れた。製薬会社の社屋のようだ。江戸時代、ここは田代宿と同じく対馬藩の領地で「日本四大売薬」のひとつとされてきた。長崎街道を中心に、交通の利便性が良いことが理由らしい。

 

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踏切を渡ると「関屋土塁」の説明板があった。同土塁は663年、朝鮮半島であった白村江の戦いに日本が参戦し敗北した後、大宰府を中心とした一帯を守るために作られた大きな構造物。丘と丘の間を土を固めてつないでいた。現在でも長さ20m、高さ4.8m、段の幅15mほどが現存しているという。1300年前から国際情勢に直結している歴史ある場所を歩いている。

 

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長崎街道は国道3号線と鹿児島本線に挟まれたゾーンを走る。狭い場所なのに手入れが行き届いた畑。列車が数分おきに交差する中、男性が黙々と作業していた。

 

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再び線路をまたぐ。街道は静かな住宅地に入る。屋根を支える「垂木」とよばれる木組が2段ある民家。神社仏閣にはあるが、家ではなかなか見ない形式だ。

釉薬瓦の家。家だけでなく、塀の屋根も赤い。同じ瓦は中国地方で主に使われている。九州では降雪の多い日本海沿岸や山間部にしかない。

 

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道が上りにかかるところで大きな石があった。字がちょっと読みにくいなぁと思っていたら、向かいの民家で世間話をするおじさんがいたので聞いてみた。「猿田彦大神」と書いているという。「坂本龍馬もシーボルトもここを通ったんだよ」とおじさん。

坂を上がってすぐ下る。ここまで導いてくれた基肄(きい)かたろう会さんの長崎街道案内板に「行き止まり」の文字。けやき台駅を中心に大規模に開発されているようで、旧道が途切れているようだ。とりあえず三国境石を目指す。

 

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けやき台駅の歩道橋を下りて、国道3号線を歩く。

 

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国道3号線は長崎本線と並走しながら、九州道と交差する。現代でも交通の要衝だ。先に行くと1954年創業のハンバーグ屋さん。車で走るたびに気になっていたのだが、今回も時間の都合で立ち寄れない。ここは再挑戦したい。すぐそこに基山SAの高速バスのりばがある。高速バスで帰るのもありかと思ったが、ルール上もうちょっと歩かないといけないかな。後ろ髪を引かれながらさらに先へ。

 

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歩道のわきに小さな公園があり、石の標柱が3組置いてあった。それぞれ「肥前国対州領」と「筑前国」と刻まれた石柱1本ずつが背中合わせに置かれている。あれっ? 「三国境石」なのに二国分しかない。もうひとつ「筑後国」もあるはずだが、どこにもない。まぁここが県境であることは間違いないので、次の目的地・基山ラジウム温泉を目指す。

後日、調べたところ、今回確認した石柱は三国境石ではなく「二国境石」。しかも国道拡張により移設されたものだという。「三国境石」は長崎街道のもう少し先に現存しているという。もうちょっと歩けばよかった。

 

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国道3号線の下り側歩道を歩く。流れる川を眺めつつ、小道に入ったら自動車学校があった。さすがに足が張ってきた。砂利道の感触が優しい。

 

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国道から曲がり住宅街へ。ここにも標語ポール。「あかるい子供で  パッと花咲く 本桜」とある。本桜? 一本桜の「一」が消えたのかな、と思い確認してみたが、そんな感じはなかった。しばらく歩いて見かけた掲示板で疑問解消。ここの地区名が「本桜」だったのだ。教育熱心らしく標語ポールをたくさん見かけた。

 

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切り通しの坂を下る。左手に九州道。農地がちらほら現れる。無人販売所を物色していると、帰宅途中らしき女性が土筆を積んでいた。「もう大分育ってしまっているのが多いけど、よく見るとまだ大丈夫なものがありますよ」。お浸しにして食べるそうだ。気がつけば、そろそろ夕暮れ。坂の先に夕日が落ちつつあった。

 

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そろそろ目的地のハズなんだけど…。さ迷って古い集落へ。煉瓦壁やモルタルブロックの小屋、ゆるやかに曲がる道。推水路にはぞんざいに木が渡してあった。

 

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大きなお堂が見えたら、そこが目的地・基山ラジウム温泉だった。さっそく中に入る。柔らかな光に包まれ、ゆったりとした空気が流れる。

 

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サンルーム的な雰囲気のお風呂。開放的で居心地抜群。源泉は冷泉のようで、そのまま張った水風呂と沸かした熱い浴槽の2種類があった。常連さんの振る舞いを真似て交互に入る。サンルームの緑が茂ったコーナーを見ていると、女湯との境に石像が置いてある。気にしつつ近づくと弘法大師さまだった。さすがお寺の温泉。入念に足をもみつつ、お湯を堪能した。

 

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すっかりリフレッシュした後は併設された食事処へ。居酒屋としても営業しているようだ。迷わず生ビールを頼む。いやー最高です。

 

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つまみはおすすめメニューから「佐賀牛中落ち炒め」を選ぶ。野生味あふれる味わいに体が喜んでます。マグロの中落ちは聞いたことあるけど、牛にもあるのか。魚と同じように骨の周りの肉なのだろうか。赤身っぽくてよかった。帰り際、受付のスタッフさんに聞いたが、ここの源泉でコーヒーやお茶を入れると美味しくなるそうだ。じゃ焼酎を割っても? 「そりゃ美味しいですよ!」。…やはり再挑戦だな。

 

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佐賀県内唯一の私鉄 (三セク含まず) である甘木鉄道立野駅 が近くにあるとのことなので、そこから帰ろう。付近は工場が多い。工場の裏にある細い道を辿っていくと、九州道が近づいてきた。

駅のホームは、なんと高速の下!! アンダーパスの中に道路と鉄道が通っている。これはかなり珍しい。会社終わりの人たちがぽつぽつと集まってくる。

 

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しばらく待って、やってきた列車に乗車。約3分で基山駅に到着。トイレに寄って列車を1本乗り過ごすが、後続の快速で鳥栖駅で予定していた列車に追いつく。なんだか都会のようなリカバリー。本数が多い鹿児島本線ならではの展開だ。